2010年12月31日金曜日

2010

個人的に良かったアルバムベスト10
・My Beautiful Dark Twisted Fantasy / Kanye West
・Contra / Vampire Weekend
・How I Got Over / The Roots
B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray / B.O.B
・Wake Up! / John Legend & The Roots
・Soldier of Love / Sade
・Relayted / Gayngs
・The Fall / Gorillaz
・Pink Friday / Nicki Minaj
・Man On the Moon two: The Legend of Mr.Rager / Kid Cudi


カニエは本当に期待通りのクラシック。収録曲を一曲づつ毎週公開してゆくという斬新な方法も面白かった。ランナウェイから最終曲にかけての高揚感が素晴らしい。ロックは、あまり熱心に聴いた方ではないがヴァンパイアウィークエンドには心を奪われた。フォーマットとしてはアフロビートmeetsロックという方法論だが、その背後にあるしなやかな感性に今後も期待したい。賛辞になるのかわからないが、シーンに対する影響力として、ポストレディオヘッドに一番近いバンドではないかと考える。Gayingsは新人とは言えないが、シャーデーをカバーするセンスやAORという親父の加齢臭バリバリなジャンルに新しい息吹を吹き込んだ斬新な視点を支持したい。最後の最後に発表されたゴリラズのthe Fallはファンクラブのみのフリーダウンロードということだったが、iPadのみで作成したというシンプルではあるがボトム感のあるビートに陰鬱なデーモンの歌声が乗るというファーストアルバムの原点に立ち返った作品という印象を受けた。傑作ではないが佳作。
シャーデーのSolider of Loveも相変わらず抑制の効いた作風ではあるが、ブラックミュージックにおける独特の佇まいはさすがだし、ラッパー達によるビートジャックや賛辞ともどもを含んでの評価。ここ数年がっかり作品が続いたThe RootsのHow I Got Overも久々の快作だった。生バンドとしての暖かさという原点に立ち戻った有機的な作品だった。姉妹作品としてジョンレジェンドとのジョイントアルバムもランクイン。
若手では、B.O.Bとカディ、ニッキーミナージュ。B.o.Bは音楽誌では散々にこきおろされていたが、ヒップホップ的な純粋主義がもてはやされるなかでの潔いまでのクロスオーバー的作風はあえて評価されるべきだと思う。「B.o.Bはアイドルでもはやラッパーじゃない!」なんていうヘッズの批判に答えるべく12月に突如発表されたミックステープの質の高さを見ても、今後の動きが最も気になるアーティストの一人である。カディさんはファーストからのコンセプトをしっかりと保持するストイックな佇まいに敬意を表したい。サイケデリックとヒップホップの異種配合がますます深化している。ニッキーミナージュは予想以上だった。ヤングマネー一派として、あの手のサウス風の内容であれば一切食指は動かなかったが、ハウス等の最先端のクラブミュージックを取り入れたサウンドは今年のUS作品の中でもひたすら異彩を放っていたと思う。ルックスからガガと比較されがちだが、ガガなんかよりもよっぽど先鋭的な音だと思う。
以上、今年最も印象に残った10枚をセレクトしてみた。




個人的によかったミックステープ
・The Free EP / Actual Proof
・BLVCK Diamond Life / Droop-E
・Stay Hungry Stay Foolish / ham-R
・Friday Night Lights / J-Cole
・Overly Dedicated / Kendrick Lamar
・K.I.D.S / Mac Miller
・Laced Up / Raz Fresco
・Paradise Falls / Mansions On the Moon
・Viki Leekx / M.I.A.


今年だけで一体何枚のミックステープが世に出たのだろう。
若手であればデビュー前のプロモーションとして、ベテランはラッパーとしての力量を示すための表現方法としてミックステープを発表することが、もはや「あたりまえ」となった今、リミックスや他人のビートをジャックした「寄せ集め」ではなく、自前のビートに書き下ろしのラップをのせ、構成も一枚のアルバムとして作り込まれた作品が多く発表されるようになった。ミックステープの発表に至るまでも、数曲をリークさせ、トラックリストを発表、場合によってはティザーまでYouTube上で公開するといった、もはや販促グッズの域を超えたものとなっているのは興味深い。リルウェインやドレイクによってミックステープという表現技法が爆発的に拡散していったのが2009年ならば、その存在意義や価値が大きく変質していったのが2010年ではないかと思う。


J ColeやKendrick Lamar等は正規発表のアルバムが無いにも関わらず、ミックステープに対する注目度はメジャー級であるといえる。前者は、Roc Nation(Jay-Zのレーベル)が後ろ盾になっていることも大きいが今年ベストともいえる質のミックステープだった。後者のコンプトンの新人Kenrick Lamarは無料公開の前に一度iTunes Storeで有料プレミア(それでも600円くらい)を行った後に、全く同じ内容を無料公開するというユニークな手法で注目を集めた。そもそもCDの売れないこの時代に、Amazon.comのデジタル販売を見てもアルバムの単価は500円ほどに値崩れを起こしており、アーティスト自身によるネット上でのミックステープの公開が、正規アルバムの公開にとって変わる日もそれほど遠くないような気がする。(「レコード産業の崩壊は間近」と預言したトム・ヨーク御大のお言葉がいよいよ現実味を増してきた。)


ネットインフラの確立とPCによる編集作業の手軽さは十代の若手ラッパー達にもますます作品発表の機会を広げている。ピッツバーグの白人キッズのマックミラーはミックステープ発表後も収録曲のPVを次々に発表することでファンを楽しませ、散々延期した後にやっとのことで新作ミックステープを発表したカナダのRaz Frescoもビデオや曲のリークを少しづつ行うことでミックステープへの期待を高める一方で、自身のサイトでビートを売るなど商魂もたくましい。ともに、10代の若者であることはおどろきだ。


また、このミックステープ狂想曲はここ日本にも飛び火し、瞬く間にフリーダウンロードやリークといった言葉が飛び交うようになった。なかでもham-Rのミックステープの連作発表は注目に値する。上にも書いたが、カニエウェストが毎週新曲をただで発表する方法を行って以来、USでもスウィズビーツやティンバランドといった大物プロデューサーがさっそく真似を始めたが、ham-Rはなんとミックステープを毎月発表するとラップした。この言葉は偽りではなく、これまでで通算5枚のミックステープが発表されている。そのうち、一枚(Future Vintage)は全編オリジナルビートで構成されたアルバムとも言うべき大作であった。そもそもUSとは異なり、ヒップホップ自体がドル箱産業ではない日本で無料で音源を公開することはリスキーであるとの見方もあると思うのだが、ham-Rをはじめとした多くの若手ラッパーはこぞってミックステープやフリーダウンロードの曲を公開しており、Jラップルネサンスとでもいうべきムーブメントになりつつある。


また、ミックステープという表現手段はヒップホップ以外のジャンルにも広がりつつある。マンションオンザムーンはどちらかというとエレクトロポップの出身であるが、デビュー前からディプロの主宰でミックステープが発表され話題を呼んだ。M.I.A.も大晦日にミックステープを発表した。ヴァンパイアウィークエンドのようなバンドがアルバム発表前にリミックス音源でミックステープを発表する日も近いのかもしれない。2011年もミックステープシーンの動向にも注目したい。

2010年11月15日月曜日

(mixtape) 49Minutes Before Falling Asleep



Track List 

1. Dead Flag Blues / God Speed You! Black Emperor
2. As a Child / Eyes of Autumn
3. 孤独の発明 / toe
4. Green Grass of Tunnel / Mum
5. Eros / Tortoise
6. Hope Is Happiness / Pedro
7. Waltz for Aidan / Mogwai
8. Zorzal / Juana Moina
9. Hafsol / Sigur Ros
10. Some Summers They Drop Like Flys / Dirty Three
11. For a Running Dog / Pan American
12. Survival of the Shittest / Gang Gang Dance
13. Reich: Electric Counterpoint - Fast / Pat Metheny
14. Kill Your Co-Workers / Flying Lotus
15. TNT / Tortoise
16. Black Spider / Mogwai
17. Clap / 54-71
18. Return to Hot Chicken / Yo La Tengo
19. A Song For Our Fathers / Explosions in The Sky
20. Stanley Kubrick / Mogwai
21. Hibari / Ryuichi Sakamoto
22. Dead Flag Blues / God Speed You! Black Emperor




    
DL (pass: godspeed)

2010年10月31日日曜日

(mixtape) Secret Hangout Vol.3 / V.A.



フライングロータスやラスコーが参加しているコンピ。無料。正直、二人の音源目当てで落としたけど、他の曲も断然かっこいい。とりあえずDLしてみてください。

Link

2010年10月28日木曜日

(mixtape) Paradise Falls / Mansions On the Moon (presented by DJ Benzi and Diplo)


Mansions on The Moonは全く知らなかったけど、Pnuma Trio というUSのジャムバンドのメンバー二人とシンガーソングライターのTedの3人組。まだ、音源の発売は無く、現在デビューアルバム作成中とのこと。今回のmixtapeは、既に発表している既発曲に加えて、リミックスを収録したもの。テクノ、エレクトロ、そしてダブステップと現行のクラブミュージックのエッセンスが詰まったものですが、例えばオリジナル曲のLove is Going to Destroy MeとかShe makes me feelにあるような独特の叙情性(クラブミュージックというよりはデスキャブのようなインディーバンドのそれ)は、シンガーソングライターのTedの貢献が大きいような気がします。インディーロックの音楽と、テクノやヒップホップ等のクラブミュージックとのミクスチャーは今に始まった話しではないと思いますが、単純に1+1=2的な単純なものから、近年はより複雑なものへと発展してきているように思います。ヒップホップにおいては、とみにそれを感じるわけです。例えば、ロックミュージックとのコラボレーションと言えば、Run DMC×エアロスミスが古典的ですが、ハードロックのギターリフをブレイクビーツに合わせるという手法です。これが形骸化してミクスチャーロックというものが産まれたと思うのですが、最近のロックとのコラボというのはそんな単純なものではない。例えば、カニエウェストやキッドカディなどは、積極的にインディーロックバンドとのコラボを模索しており、例えばキッドカディはファーストアルバムのPursuit of Happinessで、MGMTとRatatattとの競演をしていますが、単に曲の一部をサンプリングするという手法ではなく(言い換えればロックがヒップホップに譲歩する)、曲の構成の段階から両者が関わることで、サイケデリックヒップホップとでもいうべき独特のアートフォームを形成するに至っているわけです。
話しが長くなりましたが、Mansions on the Moonを聴いて、同様の感動を覚えました。最新鋭のクラブサウンドにインディーロックの叙情性がしなやかに絡んでいるという感じでしょうか。新たなミクスチャーミュージックの誕生といっても過言ではないかもしれません。

DL Link
Artist Link

(参考)
Love is Going to Destroy Me / Mansions on The Moon

She makes me feel  / Mansions on The Moon

Walk This Way / Run DMC & Aero Smith

Pursuit of Happiness / Kid Cudi

2010年10月19日火曜日

百円ディグ 第0回

行きつけの中古CDショップの100円コーナーで今日、見つけた良盤を紹介。失敗することも多いんだけど、当たりだとめちゃくちゃ嬉しいんだよね。

1. μ-ziq vs the auteurs / μ-ziq





μ-ziqは、エイフェックスツイン経由で知って、今まで何枚かアルバムを聴いてきたけどいまいちしっくりこなかった。このアルバムは、イギリスのthe auteurs というオルタナバンドの曲をμ-ziqがリミックスするというもの。恥ずかしながら、元ネタのauteursは未聴なんですが、変態μ-ziqがいわゆる真っ当なリミックスをするわけがなく(笑)。しかしながら、予想に反して、原曲にあったであろう牧歌性を上手に残しながら、ギターリフやアコギのカッティングのサンプリングの上にμ-ziqが若干インダストリアルなブレイクビーツを乗せていくという構成になっていて、非常に面白い。この数年後に、エイフェックスもリミックス集を出すけど、あれほどはちゃめちゃじゃ無い。元ネタを上手にいかしていて、そこに不釣り合いなμ-ziqの変態ビートが乗っかるから余計にシュール。ちなみにauteursのフロントマンの人は、本盤を「ルーリードでいえば、メタルマシーンミュージックみたいなもんさ」と、褒めてるのか、貶しているのかよくわからんコメントをしているらしい。(笑)

2. Ten Songs about You / Ben & Jason




ロンドン出身の2人組の三枚目。たしか、ファーストがでた頃、渋谷陽一のワールドロックナウで曲を聴いて、おっと思ったのを覚えている。まだ、ロッキンオンを欠かさず買ってた頃で、広告が乗っていたのも覚えている。すごく欲しかったけどお金が無くて諦めて、結局今に至っていたところで百円コーナーにて発見。当時は、ベルセバと比較されていたけど、本作を聴くかぎり、歌声はベンズの頃の、いやもっと限定的に言うとHigh and Dryのトムヨークですね。ファルセットはMUSEのマシューベラミーを彷彿とさせる時もある。歌声も素晴らしんだけど、ソングライティングも卓越してて、どの曲も珠玉の名曲とはいかないまでも、飽きずに聴ける佳曲が続く。シンガーソングライターのアルバムは沢山聴いてきたけど、これはかなり好きなアルバムです。これからもずっと聴いていけそうな名盤に出会う事が出来ました。








-- from iPad

(photo) Live in London / MF Doom













-- from iPad

2010年10月18日月曜日

(NEWS) Albiniファッションについて語る




ちょっと前の記事なんだけど、アンダーグラウンドのキング、スティーブ・アルビニがGQ誌というファッション雑誌のインタビューの一部。
このインタビューでは、メジャーレーベルのゲフィンに移籍して活動してきたソニックユースを批判したことで話題になったんだけど、個人的にはこっちのが笑える。

“I think fashion is repulsive. The whole idea that someone else can make clothing that is supposed to be in style and make other people look good is ridiculous. It sickens me to think that there is an industry that plays to the low self-esteem of the general public. I would like the fashion industry to collapse. I think it plays to the most superficial, most insecure parts of human nature. I hope GQ as a magazine fails. I hope that all of these people who make a living by looking pretty are eventually made destitute or forced to do something of substance. At least pornography has a function.”

簡単にまとめると、ファッション業界なんていうのは上っ面だけを取り繕う馬鹿げた業界で早く滅びればいいとおっしゃっています。そして、ファッション雑誌であるGQ誌にむかって、GQも早く廃刊することを望むよ!とおっしゃっています。服飾も一つの文化であるという見方もある(実際、キムゴードンはエックスガールのデザイナーもやってたよね?)と思うのですが、アルビニ氏はバッサリと切り捨てています。ここまで潔いと笑えます。


Original Article




-- from iPad

(thought)アルバムの値段を下げるか?曲の単価を上げるか?

iTunesの普及により、曲のバラ売りが多くなり『アルバム』という単位が消滅しつつあると言われていますが、以下の記事では低迷するセールスを立て直すためには、

1) アルバム単価を極端に落とす(二百円)ことで、薄利多売を目指す。
2) 曲単価を今よりも上げる(二百円)ことで、千円程度のアルバムのお
得感をアップさせる。

という二つのラディカルな意見が掲載されています。消費者としては、前者が圧倒的に有利なわけですが、海賊行為をしている人々が二百円という額のお金でさえけちるようであれば、音楽業界は確実に潰れてしまうでしょう。後者はいいように騙されている感じだし。。
ただ、ハードであれ、ソフトの形式であれアルバム一枚三千円近い値段というのはこのご時世、もう通用しないことは確かです。
少し前、日本のラッパーzeebraがツイッターで、iTunesでの曲バラ売りに関して苦言を呈していましたが、アーティストとしてはセールス上の問題だけでなく、『アルバム一枚で一つの作品』という信念が大切なのだと思います。個人的には、デジタルであれば五百円でアルバムが買えれば最高だと思います。企業の利益、アーティストの意向、消費者側の懐具合という三つの要素の最適な妥協点としてのアルバム単価を模索して行くことが大切なのだと思いました。


Original Article

(art work) Death to False Metal / WEEZER


正直、セカンド以降のウィーザーはあまり興味が無い。しかし、このアルバムジャケのサンプリング元は気になる。ジャケ右上あたりの光源に神殿を見てしまう人は多いはずだ、多分www

2010年10月16日土曜日

(new song) Horse / Brian Eno

11月になんとあのワープから発売されるブライアンイーノのアルバムから一曲。
On LandとかWobbleとやったやつとかにあったような攻撃性のある曲ですね。アルバムが楽しみです。



Brian Eno - Horse (taken from Small Craft On A Milk Sea) by Warp Records

2010年10月14日木曜日

(NEWS) T.I.の人命救助

TMZによると、アトランタのラッパーTIがラジオ出演中に隣のビルで飛び降りようとする男性に、急遽、自殺を思い止めるようビデオで呼びかけ、無事自殺を止めることに成功したということらしい。
「自殺なんていいことなんて何一つ無い。自分の命を自分で奪うことになんの価値も無い。俺お前を助けるためにここに来たんだ。だから下に降りてきて一緒に話そう。」って言ったらしい。普段、T.I.は聴かないけど、これは本当に素晴らしい。言葉で人を救えるなんてラッパーにとっては最も美しいことじゃないか。

2010年10月12日火曜日

(mixtape) Laced Up / Raz Fresco


カナダ出身弱冠15才のRaz Fresco君のセカンドミックステープが届きました。確か、当初は8月に発表されるということだったのですが、延期に延期を重ねてやっと出ました。この人の凄いとこは、ラップもうまいけど、トラックも自分でしっかり作っちゃうんですね。今作も24曲中12曲が自作のトラックです。Laying' Lowというクリップを見て知ったクチですが、80年代のオールドスクールへのオマージュが込められた(リメイクじゃないとこがミソ)トラックが自分には凄く新鮮に聞こえたわけです。あまり専門的なことはわかりませんが、彼はビートの組み方がしっかりしていてとてもこだわりを感じます。凡庸な曲もありますが、M2,M10とか斬新さを感じます。サンプリングスキルも前作以上に磨きがかかってます。
Mac Millerしかり、恐るべき十代。

DL

2010年10月7日木曜日

(mixtape) Radio / Exile & FLüD Watches


Aloe BlaccのセカンドGood Thingsはとても良い作品でした。芸達者ではあるがいまいち統一性に欠けたファーストから、ヴィンテージソウルに路線を統一したことは正解だったと思います。ネオソウルとはまた別文脈での濃密なソウルミュージック。同時にジャケットに見られるような「かわいさ」がリリックやサウンド全般にも反映されていて、聴いていて温かい気持ちになる素敵な作品でした。
さて、そんなアローさんの元相棒であるトラックメーカーExileのミックステープです。僕も、つい最近知ったのですが、このミックステープの2曲目にも収録されている、Population Control (Samiyam & Dibiase Remix)を聴いて「おっ!」と。聴いて頂けるとわかると思うのですが、J Dilla直系の音です。巷では、やれハドソンモホークだ、フライングロータスだと続々登場する「ディラチルドレン」ですが、私的には彼こそがディラの正当な後継者かと思います。個人的にはディラといえば、Love Movomentなんですが、あの密室的で実験的でかつソウルフルなあんな音を鳴らしています。

Track List
1. Frequency (Knxwledge Remix) f. Evidence w/
2. Population Control (Samiyam & Dibiase Remix)
3. Were All In Power f. Evidence, Krondon & Blame One
4. Watch Out False Prophet f. Dagsavage
5. Machine (Davinci Remix)
6. It’s Coming Down f. Alchemist (Knxwledge & Shafiq Husayn Remix)
7. So We Can Move (P.U.D.G.E. Remix) f. Co$$ & Aloe Blacc
8. Sound is God f. ADAD
9. Your Summer Song (Take Remix)
10. Mega Mix (Mike Gao Remix) f. Fashawn & ADAD
11. In Tune Static (Assembly Line Remix)
12. San Pedro Cactus
13. Love Line (6Fingers Remix) f. Blu
14. Stay Tuned (here) f. Muhsinah & ADAD
15. In Love (Milo 1, DJ Day, Clutchy Hopkins Remix)

DL

2010年10月6日水曜日

GAYNGS (ぎゃんぐす)


偶然、Pitchforkのサイトを見て知ったんですが、久々のアタリです。詳細がいまのところ、あんまわかってないんですが、とにかく聴いてみて下さい。リンク先は、とあるサイトでのラジオセッションで4曲やってます。Sadeのカバーをしたというので、チェックしてみたんですが、見事持ってかれました。その勢いで、彼らのファーストアルバムRelatedも聴いてみましたが、傑作。個人的な今年のベスト3には入りますね。あえて、ジャンルを言えばコズミックAOR(いやアッシドAORか?)といえばいいのかな。僕は彼らの演奏に、シャーデーも、スティーリーダンも、ボビーコルドウェルも、裸のラリーズもヨラテンゴも見ました。ワクワクすると同時に、聴いていてこの上ない幸せに満たされる音楽。こんなの、フレーミングリップスのSoft Bulletin 以来のような気がするわ。

Check it!

2010年10月5日火曜日

(new song) Lucky1 / Avey Tare (from Animal Collective)


アニコレの中の人のソロ。反復するビープ音のビートとリバーブかかりまくりの歌の組み合わせが実にサイケデリック。(右クリック+保存)

DL

(new song) Sunshine / Rye Rye feat.M.I.A


M.I.Aの秘蔵っ子、ライライのシングル。最近、ちょっと突っ走り(突っ張り?)過ぎ感のある、M.I.A.よりもかつてのM.I.A.色を強く感じさせる作風です。アルバムが楽しみ。

 Rye Rye - "Sunshine" f/ M.I.A. by Pretty Much Amazing

2010年10月4日月曜日

Matador 21 anniversary@ Las Vegas 雑感



10月2日〜4日の3日間にかけてラスヴェガスのPearlというライブハウスで行われているMatador Recordの21周年記念フェス。大半のセットがストリーミングでライブ中継されるということで、僕も早速拝見しました。僕が見たのは、Sonic Youth, Pavement, Cat Power, Belle & Sebastian。ソニックスは、二年前にサマソニで見たときよりもずっとエネルギッシュな演奏。pavementはこれでラストライブということもあってライブ未体験の僕には本当にありがたかった。Groundedから始まったのも嬉しかった。キャットパワーはSatisfactionから始まったり、ジャクソンブラウンのThese Daysやったり、カバー中心のセットでしたが、なんだか不完全燃焼な感じが否めなかった。僕は、どちらかというと最近のメンフィスブルース路線よりも、Cover recordsとかYou Are Freeが好きなんでショーンマーシャルの弾き語りでも良かったんだけどなぁ。ドラムはDirty Threeの人だったらしい。(後で知った。)で、ベルセバ。やはり、ベルセバも6年くらい前に見たことがあったけど、祝祭的な雰囲気に包まれた演奏でした。正直、アンコール前にやったSleep O'clock、イザベルがいたらほんと完璧だった。演奏も完璧だし、気取ってるし、スノッブといえばそうなんだろうけど、でも嫌みを感じさせない、見ている側もみんな幸せな気分になれる80分。
なんだか、自分の青春を再訪問する気持ちで過ごした2日間だった。

2010年9月14日火曜日

(Mixtape Preview) O.D. (Overly Dedicated) / Kendrick Lammar



上記の動画によると、今度発表されるmixtapeは、ほんとはiTunes上のみの有料配信のつもりだったけど、お金のないキッズやクレカを持たない人のために無料配信することにしたらしい。ひたすらみんなに感謝したいということらしい。いい人!Big Up!

(New Song) Run Away feat. Pusha-T / Kanye West (@ VMA)



相変わらず凝ってますね−。一年前の愚行の汚名返上はできたんじゃないかな。
MPCをいじりながらのラップするカニエって結構珍しいじゃないかな。
希望と不安が入り交じったような不思議なトラックですね。なんか中毒性があるわ。
最後のオートチューンがなんだか台無しにしてる感はあるけども。(笑)
やっぱアーティストたるもの演奏はしなきゃね、玉置さん。*Kanye Shurug*
CDQ音源も発表されているようです。スタジオ録音版では、変なオートチューンは
無い模様。よかった。(笑)以下、DLリンク。
DL

2010年9月13日月曜日

(new song) mind sound / 持田香織


残念ながら音源リンクはないんですが、ふとラジオで耳にした良曲。いや、ELTは聴かないんですが、この曲は、半野喜弘proらしく、個人的な感想ですがホーンの使い方がマークロンソンぽくて気に入りました。8月に発表されたアルバムNIUは、半野、ポラリスの人、サケロックの人などがプロデュースで参加しているようで、意外に聴けそうですよ。

Cop it!

Matador at 21 box set







アメリカの老舗インディーレーベルのマタドールの21周年を記念したボックスセット。高校生の頃に10周年のコンピを買ったのを覚えている。モグワイ、ヨ・ラ・テンゴ、ベルセバ、アラブストラップ、ジョンスペ、ギターウルフ、コーネリアス、キャットパワー、ボーズオブカナダ全てを擁するレーベルなんてなかなか無いよね。このレーベルに教えてもらったアーティストは沢山あるし、個人的に本当に思い入れの強いレーベルです。あれからもう11年もたったのかと思うと、ちょっと感慨深いものがありますが。(笑)
今回は、21周年を記念してラス・ヴェガスでチャリティー祝賀パーティーを行うようで、このボックスセットにも、恐らく会場で使用できるのであろうポーカーチップが付属しているようです。(笑)正直、ポーカーチップはいらないから、CDだけのセットで3000円くらいで出してくんねーかな。収録曲は以下のリンク参照。


個人的マタドールレコード傑作選

Sugar Cube / Yo La Tengo

Cross Bones Style / Cat Power

roygbiv / Boards of Canada


Christmas Steps / Mogwai




(Mixtape) Stay Hungry, Stay Foolish / ham-R


SEEDA等にも楽曲提供をしてきた、ham-R(ハマ・ザ・ハスラー)のミックステープ。以前も、楽曲を1トラック15分で作ってしまうというのを聴いてすごいなーと思ったけど、今回のミックステープも5日で作ってしまったらしい。まず、トラックですが、Drake、Jay Deeとかのラッパーだけでなく、RatatやHudson Mohawake、DJ Tiesto等のトラックをビートジャックしてるとことがユニーク。もちろん、目玉は自作もしくは身内のオリジナルトラックだと思うのですが、どれもカッコイイですね。Milliを彷彿とさせるような、声の一部でビートを構成していくM2、完全フロア仕様のM7、エレクトロ全開M10、ダブステップ的なぶっといビートがうねるM19 等、サンプリング主体のブレイクビーツではなく、最近のクラブミュージックを反映したビートが中心です。Overのリミックス(M4)では、各バースそれぞれ英語と日本語を使い分けるなど、英語でもスムースにラップしていますが、基本的には日本語でラップしています。SEEDA、AKLOのようにバイリンガルの人にも同じことがいえると思うのですが、英語的なフロウに日本語をはめていくというスタイルなので、やっぱりめちゃくちゃうまいですね。
今後、月一でこのようなミックステープを発表するということで頼もしいですねぇ。アメリカじゃ、最近は新譜のアルバム発売前に少なくとも一枚はフリーのミックステープを発表するてのが暗黙の了解になってる感がありますが、ようやく日本でも始まった感がありますね。

DL Link



2010年9月11日土曜日

(Mixtape) Summer Gift For You / やけのはら


こういうCD-R形式のミックステープを買うのは初めてだったのですが、結構楽しめたので紹介。リリースは2006年と大分前なので今更感バリバリですいません。最近、巷でも話題のラッパー・トラックメーカーのやけのはら氏が、夏をイメージしてつくったミックステープです。この手のミックステープは編者の趣向がめちゃくちゃ反映されるのでとても面白いのですが、このCDもご多分に漏れず、おもちゃ箱ひっくり返したような選曲ですが、非常にセンスの良い繋ぎでスムーズに楽しめます。井上陽水のコーヒールンバ→We will rock youのレゲエダブver.とか面白すぎ。ヒップホップ的なノリももちろん忘れておらず、ECDのクラシック「ロンリーガール」、「サマーマッドネス」への持って行き方にはニヤリとさせられます。ローリンヒル→エビスビーツ→安心パパ(もちろんあの曲!)→スリックリック"Hey Young World"→ディジーラスカル→ギャングスターとか字面だけ追っていくと、単に繋げてみただけでしょ?って思うかもしれないけど、これが驚くほどハマってるんです(まぁそういう技を見せつけるのがDJなんだけども)。ちなみに、最後はダニエルジョンストンで終わりますよ。(笑)夏の終わりに是非!
            



2010年9月9日木曜日

(PV) Growing Apart ft. Jhene Aiko / Kendrick Lamar


Kendrick Lamar - Growing Apart ft. Jhene Aiko from n8bombay on Vimeo.


コンプトン出身の若手のKenrick Lamarのビデオ。スローシャッター撮影の写真で見る、東京(だよね?)の夜。9thWonderというUSのプロデューサーがtwitterで、音楽の流行は20年を一つのサイクルとして廻っていて、90年代初期にあったニュースクールの波が、今来ているといった趣旨のことを言っていて、その代表的なラッパーの一人として挙げていたのがこのケンドリックラマーでした。僕はこの人の声が唯一無二だと思いますね。もうすぐ、mixtapeが出るようですが、前作もとても良い出来でしたので、気になった人はぜひチェックを。

Dl Link: Kendrick Lamar EP

2010年9月8日水曜日

(PV) 希望にあふれた雨雲でいっぱい / 平賀さち枝



最近、サンレインレコードで買い物をしたら、東京のkitiというレーベルのサンプラーがついてきたんだけど、そこに収録されていたシンガーソングライターの1曲。どこか懐かしい気分にさせられる声がいいなぁと。歌詞も素朴だけど、力強くていいですね。

2010年9月7日火曜日

(PV) The People / Nappy Roots


Nappy Roots - The People from AVJ Records on Vimeo.


ケンタッキー州出身のナッピールーツの新作Persuit of Nappynessから。同じアルバムからのRideもすごくエモーショナルな曲だったけど、この曲も心温まる一曲。
"Money ain't world to me, cuz I do it for the people(お金がすべてじゃない。俺はみんなのためにやるんだ)"というフックが泣ける。世界的な不況も大きく影響してるんだろうけど、ますます拝金主義が主要なトピックとなるなかでこういう曲はとても大事だと思う。

2010年9月5日日曜日

(Free DVD) Live in Prague ('09.08.23) / Radiohead


2009年8月23日のプラハでのライブ映像。あらかじめファンが複数のアングルからライブを撮影、編集という流れで作成されたらしい。特筆すべきなのは、バンド側がライブのマスター音源(いわゆるサウンドボード音源だろう)をファンに提供しているという点である。僕も、友達とみんなで見たのだけど、素人とは思えない編集の妙技に加えて、音質の良さが目立った。効果音的に繰り出されるジョニー・グリーンウッドのギターまでが鮮明に収録されており、本当に近くで演奏しているかのような錯覚に陥るほどに優れた音質だ。
選曲は、OK Computer以降といった感じだが、トム・ヨークの調子も万全といった感じでいたるところであのへんてこりんなダンスを堪能できる。2時間といった長丁場のライブなのでちょっと集中力がいるけど、こんな良質な映像作品が無料で楽しめるというのは素晴らしい。
映像ソースは、DVD ISO、MOV、iPhone用など様々な形式で用意されている。
DL Link

(Mixtape) suicide by jellyfish / P.So the Earth Tone King and 8thW1



NYはブルックリンを本拠地とするアーティスト集団AOK Collective(正直、あまり知りませんでした)のP.SOと8thW1によるミックステープ。トラックリストを参照してもらえればわかると思うのですが、ポールマッカートニーからコールドプレイ、フライングロータスといった豊富なネタ元からサンプリングしてます。捻りはないですが、センスはいいと思います。単に曲を詰め込みました!的なものとは違って、アルバム全体の流れも考えられていて、作りが丁寧なところも好感が持てます。サンプリング主体のヒップホップは下火とされていますが、9th Wonder周辺といいアンダーグランドでは未だ優れた作品が出ているようですね。お奨めは、M3,M5,M12,M14でしょうか。 DL Link

1. Flying Jellyfish (the Placebo) [A Decade of Flying Lotus]
2. 1,000 Deaths of Wackness ft. Likwuid and Fresh Daily [Phantogram]
3. Vintage Clothes ft. Daniel Joseph [Paul McCartney/prod by P.SO]
4. The Colo(u)r of Dreams [Blu Open the Instrumental LP]
5. Dubstep Debauchery [Bad Brains]
6. Back 2 Back [Wolfgang/prod. by the Soundmen]
7. Glad 2 Be Unhappy [Billie Holliday/ DJ Logic remix]
8. I’m Not Over You [Chester French]
9. LOVE ft. Cion Burris [Madlib Beat Konducta]
10. Note 2 Self ft. YC the Cynic [prod. by Jinesis]
11. Fun House Mirror { in lo-fi } [Washed Out]
12. Lost [Coldplay]
13. Waking Life (Interlude)
14. Limbo [Jon Brion]



<a href="http://psotheearthtoneking.bandcamp.com/album/suicide-by-jellyfish">Flying Jellyfish (the Placebo) [A Decade of Flying Lotus] by P.SO the Earth Tone King</a>


2010年9月4日土曜日

(Preview) Wake Up Sessions : the Originals


来る9月21日に発売予定のJohn Legend & the Rootsのカバーアルバムの元ネタが公開されています。どちらも大好きなアーティストだけに、このアルバムは本当に心待ちにしています。予習用にどうぞ。個人的にはダニーハサウェイのリトルゲト−ボーイのカバーが楽しみ。

 Wake up Sessions - by John Legend & the Roots - the ORIGINALS by YUM YUM

虹の橋 / Shing02




久々の、シンゴ2の日本語新曲は、Mind the Gapというショートフィルムの主題歌みたいです。
ブルージーなギターが印象的。

(PV) The Best of Times / Sage Francis




最近知った、Sage Francis。エピタフはメロコアキッズだった僕には思い入れの深いレーベルなのだけど、トムウェイツもいることだし幅広いレーベルなんだねぇ。しかし、この曲には久々に心を揺さぶられました。近日中に和訳を載せる予定です。




(UPDATED)


恥ずかしながら、和訳載せてみます。子供時代からの回想録といった感じですね。2ch的にいってしまえば典型的な中二病の曲なんだけど、随所随所で見られる言葉遊びは訳していて楽しかったし、やっぱ詩人だなぁと。(うまく訳せてないのあると思いますので、ご容赦を)訳注でも書いたけど、"don't throw me in that patch of brier"という言い回しは面白いし、勉強になりました。(総合的に何がいいたいのか結局よくわからんかったけど)




(和訳)



Its been a long and lonely trip but I'm glad I took it, Cause it was well worth it, 
長い旅だ、でもしてよかったと思ってるよ。そうする価値があったと思うからね。
got to read a couple of books and do some research before I reached my verdict, 
そこに行くまでに何冊か本も読んだし、いくらか探求もしたさ。
Never thought that I was perfect, always thought that I had a purpose, I used to wonder if I'd live to see my first kiss.
完全だなんて思ったことはない、けどいつも目的があると思ってた。ファーストキスまで生きられればなんて思ったものさ。
The most difficult thing that I did was to recite my own words at a service, 
これまで一番厄介だったのは礼拝の時だった。
realizing that the person I was addressing probably wasn't looking down from Heaven, or cooking up something in Hells kitchen, or trying to listen in or eves drop from some other dimension, which is self serving just like this is. 
自分の語りかけている人は恐らく天から自分を見下ろしている訳じゃなく、地獄のキッチンで何かを調理しているわけでもなく、僕の言い分を聞いてくれたり、どこか別の世界から落ちてくるような存在でもないと思ってからね。

Conveniently religious, on Easter Sunday and on Christmas, the television went from being our baby-sitter to a mistress, technology made it easy for us to stay in touch while keeping our distance. 
イースターとクリスマスの時だけは信心深くなった。テレビは僕のベビーシッターでありやがては召使いになった。テクノロジーがあるから遠く離れた人とも連絡をとりあえる。
Til we just stayed distant and never touched, now all we do is text to much, I don't remember much from my youth, maybe my memory is repressed, or I just spent too much time wondering if I'd live to have sex.
遠く離れた人とは連絡をとることができなかったけど、今はただメールを送るだけさ。ガキの頃のことはあまりよく覚えてないな。たぶん無理に忘れようとしたのか、単にセックスのことばかり考えてただけなのかもな。
 Fell in love for the first time in fourth grade, but I didn't have the courage to talk to her, in eight grade I wrote the note and slipped it in somebody else's locker, considered killing myself cause of that, it was a big deal, it was a blown cover, it was over for me, my goose was cooked, stick a fork in me, the jig is up.
四年生の時だった、初めて恋に落ちたけど、話しかける勇気はなかった。八年生の時に、手紙を書いたけど誤って他のやつのロッカーに入れちまった。まじで死のうと思ったよ。ガキの俺にとっちゃ一大事だった。もう\(^o^)/。まな板の上の鯉。万事休す。
Blew my chances the rest is history, our future was torn asunder, became abundantly clear I was only brought here to suffer. 
チャンスはすべて吹き飛んでしまい、未来は完全に引き裂かれた。ただ俺は苦しむだけだった。
At least I didn't include my name, thankfully I wrote the whole note in code, and it had ten layers of scotch tape safely sealed making it impossible to open, plus it was set to self-destruct, whoever read it probably died laughing, I wonder if they lived long enough to realize what happened.
幸いなことに俺の名前を書いていなかったし、内容は暗号めいたものだった。そして、開けれないようにビニールテープで十回巻いてあったし、開けたら読めなくなるようにすらしてあったから、だれがそれを読んでも失笑しかしなかったと思うがな。何が起こったのかすらわからないはずだよ。
A year later, I came to understand that wasn't love that I was feeling for her, I had someone else to obsess over, I was older and I was very mature,
それから一年後、俺が彼女に持っていたのは愛情ではないことに気付いた。ただ熱狂的になれるなにかが欲しかっただけだった。俺は大きくなり、成長したんだ。
 I forged my times signature, by practicing my parents autograph cause I was failing math, disconnected the phone when I thought the teacher would call my home
数学で赤点をとっちまったから、親のサインを練習して、自分の署名を偽造したりした。センコウが家にやってきたと思ったときは、居留守を使ったりした。
 Checked the mail-box twice a day at the end of the long dirt road, steamed open a couple of envelopes like I was in private detective mode, 
一日に二度もポストを確認して、まるで探偵のように郵便物をすかして盗み見たものさ。
if you snoop around long enough for something in particular you're guaranteed to find it, for better or worse that's how I learned it's best to just keep some things private.
もしお前があるものを根気に探し続けるなら、きっとそれを見つけることができるものさ。良くも悪くもそんなふうにして俺は、あることは自分の内に秘めておくことがベストだって事を学んだものさ。
It was the best of times, it was the end of times.... (repeat)
俺にとっちゃ人生で最高の時であると同時に、世界の終わりだった。
I was always on deck, I was next in line, an only child with a pen and a pad writing a list of things I could never have, walls in my house were paper thin and every squabble seemed to get deafening,
俺はいつでもひとりぼっちだったし、順番待ちだった。かないそうもないことをペンと紙で挙げ連ねていくようなガキは俺だけだった。家の壁は紙みたいに薄かったから、口喧嘩はまるぎこえだった。
 if my memory serves me correctly I made it a point to void and forget some things, probably to keep from being embarrassed, never meant to upset or give grief to my parents, kept my secrets, hid my talents, in my head, never under the mattress. 
俺の記憶が正しければ、おれはいつだってからっぽであろうとし、あることを忘れようとしてきた。動揺したり、親を悲しませることのないよう、秘密は守り、才能は頭の中に隠した。布団の下ではなくてな。

Therapy couldn't break me, never learnt a word that would ensure safety, so I spoke softly, and I tip-toed off and the door to my room was like a big old coffin in the way that it creaked when I closed it shut, anxiety's peaked when I opened up, as everything that I was thinking would be exposed, I still sleep fully clothed. 
セラピーなんか役に立たなかった。安心できるような言葉なんて教えてもらえなかった。だから俺はそっと話し、そっと歩いた。部屋のドアはまるで古い棺桶のように閉じるとぎしぎしときしんだ。俺がそれを空けるときには山のような不安が俺を襲い、まるで俺の考えていること全てがさらけ出されているように感じ、毛布にくるまって寝ていたんだ。
It was the best of times...
それは人生で最高の時だった。
It was beautiful, it was brutal, it was cruel, it was business as usual, Heaven, it was Hell, I used to wonder if I'd live to see twelve. 
それは美しいと同時に残酷で冷酷、そしていつものことだった。天国とはまさに地獄で、おれは十二才まで生きれるのかどうか悩んだものさ。
When I did I figured out I was immortal, loved to dance but couldn't make it to the formal, couldn't bare watching my imaginary girlfriend bust a move with any other dudes, 
実際十二才になった時に、俺は不死身だってことに気付いた。ダンスは好きだったけど、フォーマル(注:いわゆるプロムと呼ばれるリア充が集うダンスパーティーでのダンス)なのは無理だった。自分好みのかわいい娘がほかの奴と踊るのを見るのはいやだった。
Tone Loc was talking about a wild thing, I was still caught up in some child things, scared of a God who couldn't spare the rod, 
トーンロックはワイルドな事をラップしていたけど(注:80年代の有名なラッパー、トーンロックの代表曲Wild Thingについて言及している)、俺は未だに子供だましなことに夢中だった。自分を懲らしめてばかりの神様が怖かった。
it was clearly a brim-stone and fire thing, pyromaniac, kleptomaniac, couldn't explain my desire to steal that fire, now I add it to my rider, like "please don't please don't throw me in that patch of brier!"
それは火と硫黄だった。放火魔、盗癖者。その火を盗みたくてしょうがなかった。だから、俺はそれを自分の欲しい物リストに加えた。「どうか僕をイバラの茂みに投げ入れないで!」なんて言うようにさ。(注:"please don't throw me in that patch of brier"というのは、Joel Chandler Harrisという米国作家のUncle Remusの童話に登場するウサギの台詞。このウサギはイバラの中で育ったが、キツネとクマから逃れる際に上記の台詞を言う。実際、イバラの中に投げ込まれたらめちゃくちゃ痛いと思うが、その中で育ったウサギにとっては逆に逃げ道を与えられるということを暗示している。日本語で置き換えると、「饅頭怖い」といった感じだろうか。)

It was the best of times, it was the end of times.
俺にとっちゃ人生で最高の時であると同時に、世界の終わりだった。

The school councilor was clueless, cause I never skipped classes, perfect attendance, imperfect accents, speech impediments they could never really fix, and I faked bad eyesight so I could wear glasses, considered doing something that could cripple me, wanted a wheel-chair, wanted the sympathy, wanted straight teeth so then came braces, four years of head gear helped me change faces.
スクールカウンセラーなんか意味なかった。だって、おれは学校をサボる事なんてないし、皆勤賞だったからな。でも、正しいアクセントのできない子供だった。修復不能な言語障害児。眼鏡をかけたかったから、わざと視力を偽った。障害者のフリをした。車いすが欲しかったから。同情が欲しかったから。綺麗な歯並びに憧れ、矯正具をつけた。四年間矯正具をはめたお陰で顔はすっかり変わっちまった。
It was the best of times, it was the end of times.
俺にとっちゃ人生で最高の時であると同時に、世界の終わりだった。
Now I wonder if I'll live to see marriage, wonder if I'll live long enough to have kids, wonder if I'll live to see my kids have kids, if I do I'm a tell em how it is. 
いまじゃ、結婚するのを楽しみにしてるんだ。子供ができるまで生きていられればと思う。いや、孫ができるまでかな。奴らにこんなことを教えてやりたいんだ。
So go on and listen when they tell that these are your best years, don't let anyone protect your ears, it's best that you hear what they don't want you to hear, it's better to have pressure from peers then not have peers. Beer won't give you chest hair, spicy food won't make it curl, when you think you got it all figured out and then everything collapses, trust me kid it's not the end of the world.
だから、大人の奴らがこれがおまえたちにとって最高の時だというとき、どうか俺のいうことを聴いてくれ。奴らの言いなりになってはだめだ。奴らがお前に聴いて欲しくないことに耳を傾けることが最善というものだ。仲間の圧力に晒されるのはいいことだ。その結果友達がいなくても気にするんじゃないぞ。ビールを飲んでも大人にはなれない、ドラッグをやっても世界は変わらないさ。お前がそれを掴んだときに、全ては明らかになると同時に全てが崩壊するんだ。でも、心配するな、だからといって世界が終わるわけじゃないんだから。